緊急性を要するものは二次性頭痛であり、中でも最も怖いのがくも膜下出血です。これは脳内の血管(動脈)に瘤が存在しそれが破裂しておこるものでこれまで経験したことのないような突然の激しい痛みで発症することが多いですが、まれに軽度の痛みでの発症もあります。
一次性頭痛の多くは肩こり・後頚部の筋肉の緊張が高まって起こる緊張型頭痛です。これは頚椎の形態、日常での姿勢の要因にストレス・寝不足などが重なり症状の増悪がみられることがあります。血管の収縮・拡張に伴っておこり拍動性の痛みを発する血管性頭痛(片頭痛)は典型的な場合、目の症状(眩しい感じ、視野の中にギザギザしたものが見えるなど)から始まりその後にズキンズキンとした激しい痛みとして出現します。これまでの経験から頭痛のコントロールの不良な方は、この緊張型頭痛と血管性頭痛(片頭痛)の双方の要素を持っており、緊張型の要素(特に後頚部の筋緊張が高まる)が強くなると血管性頭痛へ移行してしまうことが多いようです。ですから日ごろから緊張型頭痛の要因である肩こり・後頚部の筋緊張を緩和させるような対処が必要なのです。

- 緊張型頭痛
- 血管性頭痛(片頭痛)
- 群発頭痛
二次性頭痛
入院加療が必要
- 外科的処置:くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫 など
- 内科的処置:髄膜炎 など
一次性頭痛のタイプ分け
片頭痛 | 緊張型頭痛 | 群発頭痛 | |
---|---|---|---|
割合 | 8.4% | 22% | 0.01% |
男女比 | 1:3.6 | 4:6 | 3〜4:1 |
周期性 | 月経と関連 | 目立たない | 日周性、年周性 |
頻度 | 数回/年〜1/週 | 様々 | 1/2日〜8日 |
持続時間 | 4〜72時間 | 反復性 30分〜7日 慢性 3か月以上にわたり15日/月 |
15〜180分 |
偏在性 | 60%が一側 | 両側性(片側が1/3) | 厳密に一側 |
部位 | 前・側頭部〜片側 | 後頭部、ハチマキ様 | 眼窩部、側頭部 |
頭痛の症状 | 拍動性(典型) | 圧迫または締め付け感 | 焼け火箸でえぐられる様 |
動作の影響 | 支障が大きい | 影響が少ない | 支障がある |
発作中の態度 | 暗い静かな環境で安静 | 目立った変化なし | 不穏、歩き回るなど |
随伴症状 | 悪心、嘔吐、前兆 | 肩こり、めまい感 | 結膜充血、流涙、鼻水 |
誘因 | 月経、肩こり、光、不眠 | 精神的・身体的ストレス | アルコールなど |
家族暦 | 片親が十で子孫50% | 多少 | 5% |
国際頭痛分類第2版(ICHD・U)より 一部改変
頭痛、しびれなどの症状の患者様に詳しい検査の必要性が認められた場合はすみやかに提携施設(町立三春病院、星総合病院、総合南東北病院、太田西ノ内病院など)でCT、MRIを受けて頂き引き続き当院医師の診察または紹介をさせて頂いております。
当院では器質的に異常を認めずコントロール不良の頭痛に対して頭鍼治療を行っております。
詳しくはスタッフにお尋ねください。